今回のオフィスは、外資系企業の国内拠点。皇居の緑と堀の水面を一望できる都心の好立地に位置します。四季折々の自然や、日々移り変わる空の表情が室内にいながら感じられるこの環境は、東京都心では非常に貴重です。
この立地を最大限に活かすため、設計では「自然を室内に取り込むこと」を重視。特に窓際は遮るものをできるだけなくし、誰もが日常の中で自然とふれあえる空間づくりを目指しました。
インテリアの設計・家具選定は、建築マネジメントを担った中島製作所との協業で進行。インターオフィスは、インテリアデザインの提案から造作家具の設計・製作、既製品家具の選定・調達までを担当しました。
コロナ禍以降、オフィスのあり方は大きく変化しました。特に外資系企業の日本拠点には、企業アイデンティティを感じながら、社員一人ひとりがチームの一員として働ける環境が求められています。
本プロジェクトでは、「働く場所=誇りを持てる場所」であることを大切にしました。そこで、執務エリアだけでなく、コミュニケーションやリフレッシュのための共有スペースを充実。空間全体でチーム意識を高め、スタッフのモチベーションを支えるオフィスを実現しています。
このオフィスでは、日本の美意識を空間デザインに取り入れています。キーワードは「借景」。外の自然を“借りて”室内に取り込む、日本ならではの設計思想をベースに、グローバルな企業としての洗練された佇まいを両立させました。
例えば、左右対称に伸びる廊下の構成や、障子をモチーフにしたパーティションなど、随所に日本らしいディテールを配しています。主張しすぎず、それでいて空間全体にやわらかな和の空気が流れる、上質なオフィスに仕上がりました。
プロジェクトメンバー
パートナー